以下の記事で、世帯主の死亡や高度障害による収入減のリスクに備えた生命保険(死亡保険)の加入について記載しました。
今回は、障害のある子供を扶養している家庭で、収入のない専業主婦や専業主夫、子供が加入するべきかどうかについて考えてみます。
結論から言うと、残された家族の生活を維持するためという目的であれば、一般的には収入のない専業主婦/主夫には生命保険(死亡保険)は不要ですが、子供に障害がある家庭の場合は子供の介護の必要度合いによるかなと思います。
また、子供には不要でしょう。
ただし、貯蓄が無い状態での急な葬儀代に備えるための加入という意味ではありかなと思います。
生命保険(死亡保険)加入の必要性判断
死亡による影響を解決するための費用や収入減が、生命保険への加入が必要かどうかの判断基準になるかと思います。
死亡による影響
子供が亡くなった後の影響
精神的なショックで働けなくなり、一時的に収入が減ることなどはあると思います。
つらいですが、それでも残された家族が生活していく必要があります。
一時的な収入減を除くと、「残された家族の生活の維持」という面では大きな影響は無いでしょう。
専業主婦/主夫が亡くなった後の影響
かなり影響が大きく、例として以下が考えられます。
- 仕事をしながら、料理、洗濯、掃除などの家事をすべて一人で行う必要がある
- 障害のある子供の介護を一人で行う必要がある
- 障害のある子供のリハビリ通院等に行きづらくなる
その影響の解決方法
残された家族で解決
子供の介護の必要度合いによっては、仕事をしながら家事全般や子供のリハビリ通院へ行くことも不可能では無いと思います。
ただし、子供の介護のために仕事をセーブする必要が出て、転職などにより収入が減る可能性もあるかなと思います。
アウトソーシング
逆にある程度の費用をかけ、家事代行サービスなどに依頼することも一つの解決策です。
リハビリ通院等も、場合によっては訪問リハビリに切り替えることも必要かと思います。
その収入減や費用をどうカバーするか
子供が20歳未満であれば、専業主婦/主夫の死亡後、年間約100万円の遺族基礎年金がもらえます。
月単位で見ると、約8万円です。
上記のような課題解決のための費用や収入減と、この遺族基礎年金を比較し、十分足りるようであれば生命保険は不要でしょう。
逆に、介護のために仕事を辞めたり転職する必要がありそうで、収入が大幅に減るようであれば、収入のない専業主婦/主夫でも生命保険に加入しておくべきです。
まとめ
介護の必要の無い健常者のみの家庭であれば、収入のない専業主婦/主夫への生命保険(死亡保険)は多くの家庭で不要でしょう。
ネットで検索しても、生命保険不要との記載がよく見受けられると思います。
しかし障害のある子供がいる家庭、特に医療的ケアが必要な子供のいる家庭では条件が全く異なります。
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が当たり前になり、介護がしやすくなったとはいえ、それでもそのような働き方ができる仕事はまだまだ限られているかなと思います。
また、そのような仕事に転職することで収入減となることもあるでしょう。
一般的な家庭の話で要不要を判断するのではなく、自分の家庭の状況にあわせて加入の必要性を検討しましょう。
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