2022年8月、PayPayのミニアプリとして「PayPay資産運用」が追加されました。
資産運用を行えるミニアプリとしてはPayPayポイント運用とPayPay資産運用の2種類になりますが、その違いを整理します。
PayPayポイント運用 | PayPay資産運用 | |
---|---|---|
運用開始までの手続き | 不要 | 口座開設が必要 |
取扱商品 | 4コース | ポイント運用と同じ4コース+2コース |
運用対象 | PayPayポイント | PayPayマネー |
最低取引金額 | 1ポイント以上1ポイント単位 | 100円以上1円単位 |
取引手数料 | 100ポイント以上追加する場合1% | 23:30〜6:00の間は基準価格の0.5% 上記以外の時間帯は基準価格の0.7% |
税制上の扱い | 一時所得(総合課税) | 譲渡所得(申告分離課税) |
投資者保護 | なし | あり |
PayPay資産運用とPayPayポイント運用の違い
運用開始までの手続き
PayPayポイント運用
口座開設などは不要で、すぐに運用を開始することができます。
PayPay資産運用
PayPay証券に口座を開設する必要があり、本人確認書類やマイナンバーカードが必要となります。
取扱商品(投資先)
PayPayポイント運用
- テクノロジーコース(銘柄:INVESCO QQQ TRUST, SERIES 1(QQQ))
- スタンダードコース(銘柄:SPDR S&P500 ETF(SPY))
- チャンレンジコース(銘柄:DIREXION S&P 500 3X(SPXL))
- 金(ゴールド)コース(銘柄:SPDR Gold Trust(GLD))
PayPay資産運用
- テクノロジーコース(銘柄:INVESCO QQQ TRUST, SERIES 1(QQQ))
- スタンダードコース(銘柄:SPDR S&P500 ETF(SPY))
- チャンレンジコース(銘柄:DIREXION S&P 500 3X(SPXL))
- 金(ゴールド)コース(銘柄:SPDR Gold Trust(GLD))
- フラットキープコース(銘柄:iシェアーズ米ドル建投資適格社債(USIG))
- ESGコース(銘柄:iシェアーズMSCI米国ESGセレクト・ソーシャル(SUSA))
運用対象PayPay残高
PayPayポイント運用
PayPayポイント
(特典やキャンペーン等の適用に伴い、PayPay残高に進呈された残高のこと)
PayPay資産運用
PayPayマネー
(本人確認後に銀行口座やセブン銀行ATM、ローソン銀行ATM、ヤフオク!・PayPayフリマの売上金を利用してPayPay残高にチャージした残高のこと)
最低取引金額
PayPayポイント運用
1ポイント以上1ポイント単位
PayPay資産運用
100円以上1円単位
取引手数料
PayPayポイント運用
運用へのPayPayポイント追加時に以下の手数料が発生
運用中の残高からPayPayポイントに戻す際は手数料なし
追加ポイントが100ポイント以上の場合
追加ポイントの1%
(100ポイント追加した場合、1ポイント分が手数料)
追加ポイントが99ポイント以下の場合
手数料なし
(99ポイント以下に分割して追加すると手数料なし)
PayPay資産運用
購入時、売却時ともに以下の手数料および1米ドルあたり35銭の為替スプレッドが発生
23:30〜6:00の間
基準価格の0.5%
上記以外の時間帯
基準価格の0.7%
税制上の扱い
PayPayポイント運用
PayPayポイント運用に関わらず、ポイント運用によって利益を得た場合の税法上の扱いはまだ正確には定まっていませんが、雑所得もしくは一時所得として扱われる可能性が高いようです。
一時所得の場合、50万円分の所得控除があります。
つまり、年間50万円以下の利益であれば、所得税はかかりません。
年間50万円以上の利益が出た場合は、50万円を引いた金額のさらに2分の1の金額が給与所得などと合算され、税率が上がったり児童手当などの所得制限に引っかかって受給できないなどの弊害が発生する場合があります。
なお、今後ポイント運用がさらに普及していくことで、税法上の扱いも変わってくる可能性があります。
PayPay資産運用
通常の株式での資産運用と同様、譲渡所得となります。
PayPay資産運用でPayPay証券の口座を開設した場合、「特定口座(源泉徴収あり)」の口座が開設されます。
その場合、売買して得た利益の20.315%が自動的に源泉徴収されます。
また、損失が発生していた場合、確定申告を行うことで損益通算や繰越控除が可能となります。
損益通算
PayPay証券以外の証券会社で株などの売買を行い利益が出ていた場合、PayPay資産運用での損失と合算することで、源泉徴収された税金の還付が可能
繰越控除
損失を翌年以降に繰り越し、翌年以降の利益と合算することで、翌年源泉徴収された税金の還付が可能(3年間繰り越し可能)
投資者保護
PayPayポイント運用
基本的には保護されません。
以下で紹介したように、PayPayアカウントの凍結、アカウント所持者の死亡、PayPayの倒産などでポイントは消滅します。
PayPay資産運用
通常の証券会社での株式での運用と同様、保護されます。
アカウント所持者が死亡した場合も、相続できます。
PayPay資産運用とPayPayポイント運用どちらを利用するべきか
まず、運用するためのPayPay残高の種類が異なります。
PayPayポイントは「PayPayポイント運用」でしか運用できないため他の選択肢はありません。
キャンペーンなどで獲得したPayPayポイントは「PayPayポイント運用」で運用しましょう。
ただし、投資者保護がなくアカウントの凍結や死亡で全額消滅するリスクがあるため、そのリスクが許容できる金額程度で運用しましょう。
なお、年間50万円以下の利益であれば所得税もかかりませんが、逆に損失が発生したとしても損益通算や繰越控除はできません。
次に「PayPay資産運用」ですが、運用するためには銀行口座などから実際のお金を入金する必要があり、通常の証券会社での株式の売買と同様の仕組みとなります。
税制上の扱いや投資者保護も他の証券会社と同様です。
そのため、「PayPay資産運用」を利用するか、他の証券会社を利用するかの選択肢となります。
PayPayアプリ上で口座開設がしやすかったり、保有資産の管理がしやすかったりするメリットはあります。
ただ、売買の手数料が重要です。
たとえば、「PayPay資産運用」で投資可能な以下のコースは、SBI証券の場合買付手数料は無料となります。
- テクノロジーコース(銘柄:INVESCO QQQ TRUST, SERIES 1(QQQ))
他のコースも、買付手数料無料で類似の銘柄が存在します。
そのため、口座開設や資産管理の簡単さと手数料との兼ね合いになりますが、個人的には手数料重視でSBI証券で運用することをおすすめします。
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